1) 竹をじっとみてどんな笛にするか決めます
竹が長ければより低い音の笛になり、同じ長さで太ければより低い音の笛になります。
歌口は大きければ音量が増しますが、息が必要になります。
竹主喜の経験では歌口が小さい方が高音がきれいに鳴り、大きいと低音がよく鳴ります。
指孔が大きければ音量が増し、低音がよく鳴ります。高音はなりにくくなります。
材質は竹主喜は女竹と虎竹の経験しかありませんが、やわらかい虎竹だと音も柔らかくなるようです。
物理的には周波数グラフのピークがどれだけとがっているかを示すQ値が材質が柔らかい(=摩擦抵抗が大きい)と
低くなっているため、ピークがなだらかになっているようです。
C管に太すぎる竹をつかってもC管の特徴であるはずの高い音がでないか鳴りが悪くなります。
F管に細すぎる竹をつかってもF管の特徴であるはずの低い音がなりにくくなります。
竹格(リシ笛 -リンクを参照 の造語です)にあった笛のイメージを固めましょう。
※竹格対応表
| 管調 | 必要管長 | 管尻内径 | 指孔標準サイズ |
| C管 | 約315mm〜 | 13±3mm | 8mm |
| B♭管 | 約360mm〜 | 14±3mm | 8.5mm |
| G管 | 約430mm〜 | 15±3mm | 10mm |
| F管 | 約470mm〜 | 16±3mm | 11mm |
※内径の±3mmは、C,G,F管で+3mm以上だと甲音がでにくくなった経験からです。-3mmは未実験です。
※歌口最大サイズは、内径 x0.75 (このサイズを越えると甲音(中音)がでにくくなるようです。
※指孔標準サイズは甲音が出やすく指が細い人でも押さえられる小ささです。竹格によってこれより大きくします。
2) おおよそのサイズに切り、節抜きします
竹格対応表を元に1節なら最大サイズに切ります。2節以上使うなら節抜きをします。
切断は通常ののこぎりでOKです。節抜きは内径にあったサイズのリングオーガーを使います。
必要ならコンロであぶって曲がりを直したり、油抜きを行います。
竹主喜はまだ竹は市販品を買っているので曲がり矯正や油抜きは行っていません。
管内部を掃除します。粗目の繊維たわし等を小さく切って、ワイヤハンガをのばして先のリングに加工し、先端に
つけています。
やすりに長い柄をつけたものも使います。竹の皮が浮いていると音がきれいにでないので、念を入れて掃除します。
2004/09/23更新・篠笛7節を追加
たぬ笛計算表(yokobue.xls)
3) yokobue.xlsに必要項目を計測し記入する
○竹のサイズ等を測り以下の項目を記入します
節側外径=外径大(B5)、管尻外径=外径小(C5)、内径(D5)、節厚(E5)、気温(G5)
基音(H1)は442Hz以外の場合のみ変更してください
調は平均律C〜F、ピタゴラス律C〜Fを選んでください。X〜AK列に必要な周波数が自動表示されます。
○竹格に合わせた歌口・指孔サイズの決定
歌口の大きさ(I5)、指孔の大きさ(J〜O) 上の表にあるようなサイズ以上で決定します。
ポイントは4孔と5孔の大きさです。この二つはミとファになるため間隔が半音になり、他の指孔間より狭くなります。
C〜B♭などの小さい笛ではこの間隔が狭すぎると演奏できないので、4孔を小さくして歌口側に、5孔を大きくして管尻側に
することで間隔を少しでも大きくします。しかし指孔は大きさが揃っていた方が音は揃うのでバランスが必要です
サンプルを示します。
| 調 | 1孔 | 2孔 | 3孔 | 4孔 | 5孔 | 6孔 |
| C,B♭ | 8.5 | 8.5 | 8.5 | 8 | 9 | 8.5 |
| F | 10 | 10 | 10 | 9 | 10 | 10 |
○歌口の節端からの位置(F5)の決定
これがまだ確定した式を得られていません。
歌口の位置と大きさでオクターブの距離が決まります。当然オクターブ比(=低中比=甲乙比)は2.0が理想です。
歌口が大きくなると位置は管頭に、小さくなると管尻側が適切になります。
経験では歌口12mmで歌口位置30mm強のようです。しかし例外もあり研究中です。
またオクターブ比は筒音(最低音)だけではなく全指孔に存在します。通常管尻から管頭に向けて徐々に0.1ほど
低下します。
この低下を低く抑えること、またオクターブ比のピーク(2.00)を3〜4孔にして管全体での低下を更に低く抑えることが
正確なチューニングにつながります。
また指孔ごとのオクターブ比の変化は管の内径変化(テーパ)も影響しているようです。
経験では管頭より管尻の外径が2mm程度細い先細り管の場合よい結果が得られるようです。ここは要研究項目です。
4) 歌口を開ける
2)で決めた位置と大きさに歌口を開けます。先三角ショートビットを使います。竹には事前にサージカルテープを
貼っておくとバリが少なくてすみます。
もしフルートや篠笛のように歌口を楕円形にする場合小刀で大きくします。
管尻側に削ると音が高くなります。1mmにつき約1Hzです。
管頭側に削るとオクターブ比が変わるはずですが、数mmでは変化が見えませんでした。
5) チューナーで周波数を確認しながら管長を切り揃える
甲音(AK5)と乙音(AD5)の周波数を尺八チューナ等を使って測定し記入します。管長(V5)も測定します。
この時点で理論管長(V4)と測定管長(V5)の差を端切除長(W4)として青色の列に表示されます。この長さを切除します。
ただし理論管長は端補正値42mm(W5)で計算した値です。この値は30〜55と変動するので、1mm切断すると
乙音約1Hz、甲音約2Hz高くなることから加減して切除します。
甲音または乙音が揃ったら端補正値(W5)を修正して理論値と実際値を揃えます。
この後指孔の位置はこの端補正値のn倍で求めているので影響が大です。
ただし端補正値はフルートでも42mmになっているようで、42mmから大幅に変わると音律を揃えるのは難しいようです。
指孔とも共通ですが、オクターブ比が2.00でないと甲音乙音の両方の周波数を合わせることはできません。
甲乙のどちらかを合わせるか、間をとるしかありません。竹主喜は音に敏感な人に聞いてもらって間のとった方が
印象がよかったのでそうしています。
2004/07/03更新
ずれが大きい場合低い方のずれがより影響が大きいので低い方を合わせるようにしました。
音がどれだけずれているか(セント)が6行(AK6,AD6)に計算されるのですが、AK6+AD6=0に近くなるようにしています。
全ての周波数を入力するとW12の青い欄にセント合計が表示されます。
またP6〜V6に筒音〜各指孔でのオクターブ比が計算されるので参考にしてください。
6) 指孔を管尻から順にあける
工程としては歌口と同じです。ただし管尻から一つづつあけて理論値を1mm≒1Hzを参考に微調整しながら
開けてください。
なお指孔を増やす(=6孔を開けて測定した後で、5孔を開けた時の6孔)と音が5〜8Hz下がります。これは管の
厚さによるのですが、指孔を塞いでいても小さな凹が抵抗になって音速が遅くなり周波数が下がるためです。
孔を開ける時はこれも計算に入れた方がよいでしょう。
前述しましたが、指孔の計算は下記の式によっています。
※厳密にはlは歌口管尻側辺と指孔歌口側辺 or 管尻までの距離です。
エクセルでは歌口および指孔の中心の距離になるように節-歌口の長さや指孔の大きさを計算しています。
l[n] : 端補正値。n=0は筒音、数値が指孔を示す
※管全長
l = m(331.5+0.6t)/2f - l0 - 0.61re (物-5-a)
※指孔
l = m(331.5+0.6t)/2f - l[n] (物-5-b)
ここでl0がW5の値です。l[n]はl0に定数を乗じて求めています。
この定数は竹主喜が作成した20本程度の横笛を平均して求めています。AL5〜AR5の数値です。
【重要】2004/07/04更新
AL5〜AR5の値を端補正率と呼びますが、この値は内径の変化と比例します。竹は平均として管尻が管頭より
2mm程度細いです。しかし管尻と管頭の太さがほとんど変わらない場合は、端補正率の値を1〜6孔で同じ値に
する必要があります。
この数値の意味するところは、内径変化が大きい(管尻の方が細い)ほど指孔を管頭に寄せる必要があるという
ことです。言い換えると内径変化がない場合、指孔を管尻に寄せる必要があるということです。
AL6〜AR6はその笛での定数を計算しています。AL3〜AR3にそのシートでの平均が計算されますので
適宜変更してください。
なおAL3〜AR5を変更する際は編集後、[CTRL]-[SHIFT]-[ENTER]を押してください。
ドリルで孔開け直後はバリがでているので、半丸やすりできれいにととのえています。
楕円にするなら歌口側に削るとやはり1mm≒1Hzで高くなります。
7) 柿渋液につけ表面は拭いて約1週間室内で日光にあてる
湿気に耐えられるように柿渋で管内表面をコーティングします。2〜3度繰り返すと飴色のよい感じになります。
■現在の課題
○オクターブ比全指孔2.0を実現するための定式
○吹くのに力がいるようで吹きづらい。吹き心地改善
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