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2008.01.12

竹の横笛に塗る仕上げ剤は何がよいか?

昨年和竹さんにお会いして竹をオイルフィニッシュで仕上げていらっしゃいました。
また和竹さんは化学に詳しく塗装の化学的解説をしてもらう機会を得ました。

今年の正月は0:00から住吉神社で年越獅子舞奉納をいたしました。冬の深夜に屋外で笛を吹いたのは初めてですが、5分も吹いていると激しく結露して詰まってしまいました。篠笛で内壁が漆塗りになっていてもこの状態でした。

防湿と長持ちさせるために、たぬ笛の内壁に何か塗ることを考えようと思いました。
しかし以前リノキシン(亜麻仁油)を塗って音の輪郭がぼけてしまったように吹き心地が悪くなったことがあります。たぬ笛に最良の塗装を求めて、和竹さんにお話を伺えたことをきっかけに笛の塗装の化学考察をしてみます。

■漆・カシュー等塗膜のできる塗装
本漆かカシューかまた塗った後に拭き取る方法等いくつかバリエーションは考えられますが防湿と強度はもっとも高いでしょう。しかし篠笛がそうであるように1オクターブ目の低音の魅力が薄くなるように感じます。たぬ笛では低音の魅力を大事にしたいので塗膜のできる塗装は除外します。

■柿渋
以前柿渋を使っていたことがありました。柿渋は江戸時代には合羽に塗られていたりと紫外線に当てることで薄い塗膜を作るそうです。化学的にはカキタンニン等の複数の化合物です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%B8%8B

防虫の効果もあることは自分で確かめましたが、柿渋は水溶性のためせっかく乾かせた竹を再度水につける必要があります。また笛の内壁はあまり紫外線が当たらないので効果的な防湿にはならないと判断して使うのを止めました。(はっきり言葉になったのは和竹さんのおかげです)

■乾性油
木工製品などでオイルフィニッシュと言われる植物性の油を木材表面に浸透させ乾くことで固まり保護材とする方法があります。
油脂には不飽和度の高い(酸素と結合することで重合し固まる脂肪酸が多く含まれる)乾性油と半乾性油(ごま油等)、不乾性油(オリブ油等)があります。
重要なのは乾性油と言っても液体中の水分が乾燥して固まるのではなく空気中の酸素と結合して固まるということです。

今回は乾性油の中で何がよいかを考えます。

http://tezukuri.hayashi-chem.co.jp/recipe/syu02.htm
http://www.tai-workshop.com/oil/o-05.html

沃素価 主成分
桐油 155-175 エレオステアリン酸(70-90%) 飽和酸は2~7%
荏油 192-210 リノール・リノレン
亜麻仁油 165-197 リノレン酸(40-61%) ※飽和脂肪酸を10%程度含む

※沃素値は不飽和度を測る値で多いほど不飽和度が高い=固まりやすいです
※ただし不飽和度が高くても飽和脂肪酸の成分が多いと固まりにくくなります
※桐油は酸素との結合が共役二重結合なので沃素値以上の固まりやすさになるようです

乾燥性(固まりやすさ)は
桐油 > 荏油 > 亜麻仁油
だそうです。ホームセンターのオイルフィニッシュのコーナにもおいてあるのはこの3つメインでした。他にくるみ油がありましたが、沃素値も低く共役二重結合でもないようなので桐油と亜麻仁油を試しました。

竹を割って内壁が見えるようにして無塗装、亜麻仁油、桐油を2度塗りして1日おいた上に水滴をたらしてみました。写真は撮ってみたのですがわかりにくいので文書で説明します。

Tanglinoxin○無塗装
 水滴が1分もしない内に体積が小さくなり、内壁に吸収されていきました。
 拭き取ると水の跡が残ります。

○亜麻仁油(リンシードオイル)
 水滴の体積は見えるほどは小さくなりませんでした。
 拭き取ると水の跡が残ります。
 表面を指でなぞると少ししっとりした感触です。
 塗ってから1週間ぐらいでそれ以上変化しなくなりました。

○桐油(タンオイル)
 水滴の体積は小さくなりませんでした。
 拭き取っても水の跡は残りません
 表面を指でなぞっても無塗装と同じようなざらざらした感触です

 拭き取っても水の跡が残らない桐油の防水性がもっとも高いようです。
 またギターにオイルフィニッシュしている人が感想をあげていましたが、亜麻仁油の場合乾燥するまで半年ぐらいかかり音の輪郭がぼやけたと書いている方もいました。

 竹主喜の実験では薄く塗っただけなので1週間ぐらいでしたが乾燥するまで音色が変わってしまうようです。防水性からも表面の感触からも桐油を笛に試してみたいと思います。

 次は内壁に桐油を塗った笛を作ります。
 

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コメント


オオ~~~~・・・・・・!!!!!!!!!!!VVVVVVVVVVVVVVVVVVV
勉強に成るナ~~~・・・・・・・!!!!!!!!!!♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪(笑)
流石!!!!!!!!!!VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV

投稿: リシ♪ | 2008.01.13 11:46

リシさんいつもコメントありがとうございます。
ちなみに桐油は上の瓶でHCで200ccで400円でした。通販だともうちょっと量が多くて高くなっているようです。

http://tezukuri-shop.jp/?pid=1600835

10ccぐらい小分けボトルに入れて送りましょうか?

投稿: 竹主喜 | 2008.01.13 19:39

竹主喜さんこんばんは。
いよいよ桐油の実験開始ですね!音色の変化をぜひレポートしてください。私は竹の種類と状態によって桐油と亜麻仁油を使い分けていますが、いずれの場合も塗布、浸透後、時間が経つほど良い音になるような気がします。

リシさん初めまして!
先日、竹主喜さん所有のリシ笛を吹かせて頂きその音のすばらしさと性能に感激いたしました〜。

投稿: 和竹 | 2008.01.13 20:43

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