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2007.03.17

竹の内径加工3 -オクターブ比改善のために

 さて内径を加工する道具は揃いましたが、内径のどこをどのように削るとどのような影響が出るかが分かりません。
まずは実験で内径を太くした影響を調べてみます。

大変参考になったのが岩茸さんのHPで紹介されていた、
バロック・リコーダーの内径形状と基本音の共鳴振動数
のページでした。管が太くなるテーパーの考え方は高校の微分の授業を思い出しました。
何より実験の方法が大変参考になりました。誠にありがとうございます。

■実験道具
Pipes 写真のようなパイプを用意しました。太いパイプが内径20mm、細いパイプが内径15mmでプラスチックリコーダーにほぼはまります。いくつかの長さの細いパイプと太いパイプを組み合わせることで途中が太くなっている管のオクターブ比を測定しました。
 長さは全て20cmになるように揃え、歌口側の左から3cmのところに5mmの穴をあけて筒音と全開音のオクターブ比を測定できるようにしました。


■実験結果一覧

低音765 Hz553 Hz
中音1238 Hz1158 Hz
オクターブ比1.622.09

低音920 Hz548 Hz
中音1220 Hz1150 Hz
オクターブ比1.332.09

AB
低音920 Hz525 Hz
中音1170 Hz1070 Hz
オクターブ比1.272.04

低音944 Hz512 Hz
中音1214 Hz1130 Hz
オクターブ比1.292.21

低音678 Hz500 Hz
中音1253 Hz1205 Hz
オクターブ比1.852.41

低音1020 Hz500 Hz
中音1215 Hz1155 Hz
オクターブ比1.192.31

C
低音730 Hz550 Hz
中音1220 Hz1168 Hz
オクターブ比1.672.12

■考察
○3段目のA(9cm-5cm-6cm)の筒音オクターブ比が直管の2.09に対して2.04になっていることから、
 内径の太い部分を管尻に近づけると筒音のオクターブ比が下がり2.0に近づくようです。
 ただし全開音のオクターブ比もさがり2.0から遠ざかり悪化します。
○3段目のB(5cm-6cm-9cm)の全開音オクターブ比が直管の1.62に対して1.85になっていることから、
 内径の太い部分を管頭に近づけると全開音のオクターブ比があがり2.0に近づくようです。
 ただし筒音のオクターブ比もあがり2.0から遠ざかり悪化します。
○内径の太い部分の長さを大きくするとAとBの悪いところの合成になり筒音・全開音両方の
 オクターブ比が悪化します
○5段目のC(5cm-2cm-6cm-2cm-5cm)の形にすると、この例では筒音オクターブ比が直管より若干
 悪化していますが、調整次第で筒音と全開音のオクターブ比を両方改善できるように思います。

 次回実際の笛で試してみますが、管尻側は1孔と管尻の間、管頭側は6孔と5孔の間を太くすればよいように思います。

★必読! [2007/03/25]
円筒管の内径を局部的に修正したときの効果
 Bingoさんがこのことをわかりやすく解説してくださいました。ほんとにありがとうございます。

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コメント

たぬさんおはようございます。
昨日は遅くまで熱く燃えるお話し楽しかったですね♪

実証試験からのデータに基づく探求。
素晴らしいです。
私には良く分かりませんが。たぬ笛が日々成長している影には多くのチャレンジとそれをとりまとめるご苦労(喜び?)が感じられます。

たぬさんの云われている、笛が一つのジャンルとして成立して欲しい!
日常的に笛を吹く人が見られる光景が目に浮かびます。

次回のレポートが楽しみです。頑張ってください。」

投稿: Santa | 2007.03.19 09:36

サンタさんにはパイプみつくろいと購入のためにジョイフルホンダまでおつきあいいただきありがとうございました。しばらく私事で忙しくたぬ笛の改善に時間をつかえませんでしたが、内径加工が鉱脈になりそうな気がしています。上の記事は調律の話だけですが、尺八では鳴りの調整も内径調整で行っているとききますし、リコーダーでは内径加工によりボイシングという音色の調整を行っているそうなので音色や鳴りについてもアプローチできるのではないかと思っています。

投稿: 竹主喜 | 2007.03.19 09:59

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