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2005.03.16

横笛はRLC並列発振回路だった!

 たぬ笛で思いつく問題点は全て対応して一段落したので、原点に戻り再度音響物理の理論を調べ直してみました。大きな気づきがあったので途中まで記事にします。

(1)全ては波動である
 『横笛の物理学』で横笛のサイトなのにωだのインピーダンスだの電気工学の用語を載せました。音響工学は音という空気の波を扱いますが、電気工学は交流という電気の波を扱います。空気と電気という違いはあってもどちらも波を扱う考え方は同じだと気づいて音響工学に電気工学の用語が出てくることは理解できました。
 横笛を部品に分解すると管頭は空気を溜める機能があるためコンデンサーに相当し、筒は空気が回転して渦になるためコイルに相当すると考えられます。交流電気をコンデンサーやコイルに流すと抵抗が生じます。この抵抗をインピーダンスといい物理式から端補正値を求めようとしたのですが、残念ながら実測値の35-50mmとは一致しませんでした。ここまでが初回の『横笛の物理学』で考えた内容でした。

LC これまではコイルやコンデンサーの単体としてしかみていなかったのですが、今回は組み合わされた回路として見てみました。するとコイルとコンデンサを組み合わせたそのものずばりの回路がありました。『LC並列発振(共振)回路』といい電気工学の教科書には必ず出てくる基本的な回路です。Lはコイル、Cはコンデンサを示します。歌口から吹き込む息を交流電源とし、管頭の空気がたまる部分をコンデンサ、空気が渦を作る管をコイルと見なした回路図が右です。

 ややこしい説明を飛ばすと、LC並列回路ではコンデンサとコイルの性質から共振が発生し、一定の周波数で入力した電源の何倍もの出力が得られます。電気回路ではアンテナをつけて同調回路(チューナー)として使われたり(共振)、交流電源をつないで正弦波の発振器として(発振)使われます。無理矢理簡素化して携帯電話でたとえると電波の受信や送信機能に使われています。音と電気の違いはあるものの同じ機能ではありませんか!

 やはり音も電気も波は同じなんだなぁと竹主喜はかなり感心しました。考えてみれば光も波長の違いで色が変わるし世の中は全て波動でできているんだ!と感心したので右脳派で少しスピリチャルな趣味のある妻に話したところ…「世の中が波動だってやっと気づいたの!!」と言われてしまいました…
 妻に影響されて竹主喜も精神的に考えれば、送信も受信も同じLC回路ということは、演奏者がアンテナになれば横笛は演奏者が受信した波動と同調し発振する回路になるのでしょうか。

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コメント

>送信も受信も同じLC回路・・・
そう、みんな心にLC回路と電源を持っているのですよね。
ですから、誰かの出した波動に敏感に反応するのでしょう。
で、LC回路ですから共振周波数があるのですけれど、明るい波動にチューニングする人は明るい波動に共振して、
ぎゃくに暗めの周波数にチューニングしている人は、暗めの波動を受けやすいのでしょうね。
・・・と、こういう仮説はいかがでしょうか?

投稿: まさどん | 2005.03.16 22:09

あ、大事なこと書き忘れた。

http://www.geocities.jp/waveofsound/

開口端補正のことを色々研究している方のHPを見つけました。
たぬさんはご存知ですか?参考になれば・・・と思いまして。

投稿: まさどん | 2005.03.16 22:44

まさどんさんへ
 そうですね。その人のチューニングによって受ける波動が違うのでしょうね。電気回路の理論を調べていたのに含蓄が深いです。

 wavefsoundのURLありがとうございます。
結構Googleで検索しているのですが、知りませんでした。一瞥しただけでなかなか濃い内容でワクワクしています。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.16 23:53

 まさどんさん,たぬさん こんばんわ

>http://www.geocities.jp/waveofsound/
>開口端補正のことを色々研究している方のHPを見つけました。
 この人すごい。数学と物理の先生で,
>生徒の質問をきっかけにあれこれ考えてみた結果、音の波長に較べて細い管では、上の「公式」とは逆になりそうなのです。つまり、開口端補正は <管が細いほど大きくなる> との結論に達しました。
>この結論が正しいかどうか、また、実験で確認できるかどうかを知りたいと思っています
 疑問から考察し予測を立て検証する,これが科学だ。と常々父親が言ってましたが,まさにそれをやってます。しかも生計・名誉・業績とかと関係ないところで,結構深く突っ込んで。。 探求心です。頭が下がります。

投稿: そーれー | 2005.03.17 01:07

 まさどんさま
>で、LC回路ですから共振周波数があるのですけれど、明るい波動にチューニングする人は明るい波動に共振して、
>ぎゃくに暗めの周波数にチューニングしている人は、暗めの波動を受けやすいのでしょうね。
 そうですね。かけられた同じ言葉もこちらの心の持ちようで良くも悪くもとれる,とか「心に愛がなければどんなに美しい言葉も相手の胸に響かない。(聖パウロの言葉より)」とかですね。

 最近中原さんと「陰陽師」の話題で
「「どのような事象であれ、その人がそう認識してしまえば陰にも陽にもなる。事柄はただの事柄に過ぎない」ということです。

あくまで現象は現象。その一つ一つに執着せず、陰と陽とのバランスをとって中庸で生きていきたいとそう思っています。」
 とかいうお話しをしております。同好の話題というのは出来ることだけでも癒される思いです。
 またありがたいご縁をいただいたようです,私。

投稿: そーれー | 2005.03.17 01:16

まさどんさんそーれーさんありがとうございます
 笛-電気回路と調べているのにいろいろ気づきがあって驚きが続きます。
 指孔サイズと端補正の関係、オクターブ比の秘密の二つが理論的に説明ができていない課題です。これも分かったらアップします。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.17 16:45

共振回路でちょっと気になったことをひとつ。
管頭がコンデンサ的な要素を持つのは良いとして、管はLだけではなくて、Cも含んでいると考えるのが妥当ではないかと思うのですが。
根拠は管頭の部分が無くても共鳴する訳ですから。
で、管の部分が倍音でも共振するのか、あるいは純粋に倍音ではなくて多少ずれるのか。
wave of soundさんのレポートでは開口端補正は波長に影響されるとあります。
だとすれば、倍音での開口端補正は筒音のものとは違うはず。
それがオクターブ比の違いになるのか。
そして、それに管頭の部分がどれ位影響を与えるのか。
この辺ですよね~。
たぬさん、よろしくお願い致しますね~。

投稿: まさどん | 2005.03.17 23:04

>管はLだけではなくて、Cも含んでいる…
 そうなんですよね。尺八やケーナなどの縦笛系はどう考えればよいのかまだ見えていないですよね。
 管の部分だけでも倍音は出るはずです。パイプオルガンでも出るそうですから。当然筒音の開口端補正は倍音では違うはずです。これがオクターブ比の違いになるかと思いましたが計算が合わないのです。倍音は周波数が高いので開口端補正は筒音より短くなり実効長も短くなります。つまりオクターブ比は2.00より小さくなるはずなのです。しかし実際は逆で2.03-2.05になっています。
指孔についても同様です。
 筒音の開口端補正についてはwave of soundさんの式はぴったり合うのですが指孔の端補正の違いとオクターブ比を理論付けできるようになりたいですね。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.17 23:45

開口端補正に影響を与えるファクターはたくさんありそうですね。
普通の笛のように唄口-管尻間が30~40cmの場合は、笛の長さが短くなるのつれて筒音の開口端補正は単調に小さくなります。でも、唄口-管尻間をさらにどんどん短くして行くと、唄口-管尻間が250mmぐらいで最低となり、さらに短くすると逆に開口端補正は増えて行ってしまうようです。

http://nakane-kagura.hp.infoseek.co.jp/fue/fig_tsutsu07.png

グラフの縦軸は開口端補正、横軸は唄口の管尻側エッジから管尻までの距離で、材料は内径13mmの塩ビ水道管。筒音の1~4倍音のデータから作ったものです。

いったい、どういう式になるんでしょうね。
発振回路の理論、期待しています。

投稿: 狩野 良雄 | 2005.03.18 01:13

すみません。3/17 11:45の自分の書き込みの訂正です。
>倍音は周波数が高いので開口端補正は筒音より短くなり実効長も短くなります。つまりオクターブ比は2.00より小さくなるはずなのです。
 これはオクターブ比が2.00より高くなるはずなので竹主喜の勘違いでした。つまり開口端補正については計算通りになりそうです。しかし指孔の端補正は逆に周波数が高くなると補正値が大きくなっています。
 いずれにしても指孔の端補正の違いと指孔のオクターブ比を理論付けできるようになりたいです。できるまで考えたいと思います。

 狩野さん、開口端補正は歌口管尻が却って大きくなる場合もあるとのこと。実験結果ありがとうございます。考慮に入れたいですね。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.18 07:43

 素人考えで(ほんとは素人ではいけない。昔授業で似た話もあったもんで)申し訳ないですが、管端と指孔の違いは後者は分岐であること。それも流体の流れと垂直方向。流れに対しての抵抗と考えた場合、並列に抵抗とコンデンサー(チムニー効果)の直列回路が追加されてるって事無いですか? 電気回路で考えた場合実際どういうものになるかわかりませんが。
 指孔の開放が多い場合での空気の分岐の様子(低域、高域の違い)とか、同じ経路でも流速で変わらないか(呂音、甲音の違い)あたり、解析できたらオクターブ比の問題も見えてくるものがあるのではないかと。

 先日のたぬさんとの山手線内での会話の時に、私がやりたいと思ってると言ったのはこの考察のことで、尺八みたいに肉厚の竹の場合指孔に角度を付けてやった場合の変化。音程、音色、レスポンスに絡みそう。
 他に内径が同じ管で、肉厚の違うものを用意して同じ位置にあけた孔が音のどの部分に影響するか、その影響は孔毎にどう違うか。できれば同じ位置の孔でも管端に近い孔なら歌口側に孔がある場合とその孔単独の場合でどう違うかなど見てみたいと思ってました。
 私はあくまで尺八みたいな音がどうしたら出るか?が主なんですけどね。(なぜそこにこだわる?>おのれ)

投稿: そーれー | 2005.03.18 12:03

昨日、新たな笛作りをスタートしまして歌口だけ開けたんです。
で、吹いていて管尻ををちょっとふさぐとずいぶん音が下がるんですね。
気柱の長さはもちろん変わってないし、ふさぐって言っても3分の一位でしょうか。
式の通りだと数ヘルツのはずですよね。
指穴にしたって半分ふさぐと言っても理論値は数Hzの変化のはずなのに半音も下がってしまいますよね。
う〜ん、どうしてなんでしょうか。

投稿: まさどん | 2005.03.18 12:03

そーれーさんまさどんさこんにちわ
たぬはお弁当たべてますお昼ですね。

まさどんさんの疑問の指孔半分閉じると半音さがる件がまさに指孔サイズと端補正の関係と思っています。例えば管頭側を半分閉じてもやはり音が下がるのは歌口エッジからの距離=共振部の大きさよりも指孔サイズが影響が大きいからだと思っています。
 管尻を閉じる件は多分それだけ閉管になっているからではないでしょうか。完全な閉管だと開管より更に1オクターブ下がりますから。

そーれーさんほんとに素人ではありませんね。たぬの方がよほどにわか仕込みです。
指孔部分がLCの直列接続を追加しているという考察説得力がありますね。計測数値で端補正値が管尻より大きくなっているのですから何らかの抵抗成分が加わっていることになります。今はC部(チムニー効果による壁の厚さ)は固定としてしてL部だけを指孔サイズで考えると糸口になりそうですね。
そーれーさんにはC部の計算も考慮していただければと。明日が待ち遠しい。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.18 12:30

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