« 開口端補正値 | トップページ | ヘルムホルツのレゾネータをオーディオルームの吸音に »

2005.03.20

笛の「鳴り・抜け」とQ値

q 電気工学の世界ではLC共振(発振回路)の性能を示す値としてQ値が使われます。共振・発振周波数において共振・発振電流が電源電流の何倍になっているかを示す値がQ値です。笛でいうと息の何倍の強さの空気量=音量が出ているかを示すといえそうです。

■フリー百科事典ウィキペディアよりQ値


 笛で「鳴り」や「抜け」が良いと呼ばれる感覚は、電気工学のLC回路に置き換えればQ値が高いといえるように思います。ではQ値を高くするにはどうすればよいのでしょうか。Q値は以下の式で表されます。

Q = ωL / R ※ω=2πf L=コイルのインダクタンス R=抵抗

 wikipediaの解説にもありますが、Q値を上げるには抵抗を下げ、インダクタンスを増やせばよいのです。
 抵抗とは笛の場合管内壁の空気抵抗と置き換えられるでしょう。やっぱり内壁の磨きが重要ということか…。
 インダクタンスは笛の場合管内部の空気の渦と考えられ、以下の式で表されます。

L = k r2 n2/ l ※k=長岡係数 r=コイルの半径 n=コイルの巻数 l=コイルの長さ

 コイルの場合巻数と長さは別の変数ですが、笛の場合同じ値と考えられます。よってインダクタンスは
・半径の二乗に比例して増加し
・長さに比例して増加する
 ことになりそうです。
 鳴り・抜けをよくするには

a) 内壁を磨いて空気抵抗を少なくし
b) より内径を太くし
c) 共振・発振部を長くする = 指孔を大きくしてより管尻位置に寄せるようにする

 全てすでに分かっていたことの確認でした。ただb)は太くしすぎると大甲音が出なくなりますし、c)はオクターブ比の改善にもなっています。大甲音が鳴るぎりぎりの太さの理論値など、ここをより深く理解できれば端補正値とオクターブ比の理論が解明できる気がします。
 たぬは花粉症で頭がぼうっとしてオーバーヒート気味です。ヘルプ求む!

|

« 開口端補正値 | トップページ | ヘルムホルツのレゾネータをオーディオルームの吸音に »

コメント

たぬさん 花粉症ですか~?
お大事に~♪

さて、電気工学科卒の私といたしましては・・・いや~、もう昔のことで、忘れてしまいましたよ~。
もっとも、在学中には波動方程式とかいろいろやったのですが、不勉強な学生だったもので・・・
気柱の共振ですから、気柱そのものをLとCの合成として考える必要がありますよね。巻頭部のCの影響はもちろんあるのでしょうが、ここはなくても共振する訳ですから、気柱そのものを共振回路としてとらえる必要があると思います。
例えばCは気柱の体積でLは気柱の長さとか、Cは気柱の断面積でLは体積とか・・・
ひょっとすると、Lは断面積でCは長さだったりするかもわかりませんね。
その上で回路の抵抗分はたぬさんのおっしゃるとおり内壁の空気抵抗と考えると良いのでしょうね。
でも、その先なんですが・・・いや~、ちょっと・・・という感じなんですね。
申し訳ない・・・まさか、仕事じゃなくて笛づくりで発信回路が出てくるとはねぇ。

投稿: まさどん | 2005.03.21 00:08

>さて、電気工学科卒の私といたしましては・
 えええええ!青い鳥がここにいた!!
 昔のことかもしれませんが思い出してくださいよ~♪!!
 共振周波数を求める式からたぬ笛のCとL、Rを求めようとしたのですが矛盾のない数値にならないのであきらめました。
 電気工学の応用は公式をそのまま適用できることができれば一番よいのですが、考え方を参考にして例えば「Q値をよくする=鳴りのよい笛の条件は?」というようにヒントを得られればと考えています。
 オクターブ比を決める理論が分かればオクターブ比そのものが求められなくてもオクターブ比をよくする方法がわかるのではないかと思っています。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.21 00:26

>昔のことかもしれませんが思い出してくださいよ~♪!!
むむむ・・・、教科書探してみようなかぁ・・・。

ちょっと前のたぬさんの記事を思い出したんですが、歌口のアンダーカットの件です。
あれはここでの議論だとまさに流路の抵抗分を下げるように働くのではないかとおもうのです。
その結果音が大きくなったとありましたよね。
Q値が上がると言うことはそう言うことなのでしょうね~。
音が出しやすくなるとも解釈出来ますよね。

投稿: まさどん | 2005.03.21 19:04

まさどんさんへ
 アンダーカットの件はまさに流路の抵抗を下げる効果があったのだと思います。竹の顔もそうなんでしょうね。
 理論のよいところは経験で積み上げた効果の応用をしたり対応方法の洩れがないことの確認ができることですね。
 よろしくお力添えをお願いします。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.21 19:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36325/3369170

この記事へのトラックバック一覧です: 笛の「鳴り・抜け」とQ値:

« 開口端補正値 | トップページ | ヘルムホルツのレゾネータをオーディオルームの吸音に »