« 横笛はRLC並列発振回路だった! | トップページ | 笛の「鳴り・抜け」とQ値 »

2005.03.19

開口端補正値

 弦楽器は弦の長さと張力でピッチが決まります。しかし管楽器は管の長さよりも実効長は少し長くなります。
この長さを管尻(筒音)で開口端補正値といい、高校物理の教科書では管半径 x0.61と記述されています。
しかし笛を作るとこの値が全く違っています。歌口をふさぎ気味にするため閉管になっているから等説は多くありましたが、教科書に書いている内容は正しくなく、『開口端補正値=波長/8 - kr』という説を物理的に証明しようとされおられる方がいらっしゃいました。塾の先生だそうですばらしい研究です。

■気柱共鳴の物理

kaitan-hosei-graph たぬ笛の過去データから管内径(直径)と筒音の開口端補正値を分布グラフにしてみました。
周波数の高い(波長の短い)C管では開口端補正値は小さく、低い(波長の長い)F管では開口端補正値は大きくなっています。説の通り開口端補正値は内径に反比例する関係が読み取れます。ただ竹の管頭の形状の違いによるのかきれいな直線分布にはなりません。全長は計算式だけでは求めることは難しく、長さを切りそろえながら測定する必要がありそうです。しかしこの後指孔の端補正値を考えるヒントになりそうです。(まだ詰まっていますが)


 ちなみに狩野さんの実験によると開口端補正値はある長さ以下になると管の長さが短くなっても開口端補正値が長くなるそうです。
この実験は内径13mmだそうで、250mm以下の管では開口端補正値が大きくなっています。開管の波長は管の長さと考えられます、250mmまではほぼ長さの1/8になっていて実験値とよく一致しています。250mmで動きが変わる理由はなぜでしょうか?

|

« 横笛はRLC並列発振回路だった! | トップページ | 笛の「鳴り・抜け」とQ値 »

コメント

私の実験(http://nakane-kagura.hp.infoseek.co.jp/fue/tsutsu01.htm)では、内径13mmの管の長さが400mmから200mmへと半分になっても、つまり、音の高さが約2倍になっても、開口端補正は37mmから32mmへと10数%変化しただけです。開口端補正に対する波長の影響はあっても大した事がないような気がします。

単純にグラフだけ眺めていると、

開口端補正 = a(管の長さ)+b(周波数)+c

のようなイメージが沸いてきますが、そんな理論は無いでしょうか。

また、「管が長くなってくると弱く吹かないと音がうまく出ないので、音が予定よりも低くなってしまい、開口端補正が高めになっている」とか、「高い音は技術的に唇を十分に細かく震わせることが出来なくて、予定よりも音が下がってしまい、開口端補正が高めになってしまっている」というような可能性もあり、物理的特性以外のファクターもあるかもしれませんね。

なかなか難しそうです・・・。

投稿: 狩野 | 2005.03.20 01:22

狩野さんコメントありがとうございます。
 リンクしていたページの実験結果13mmだけではなく他の太さmも含めて整理されてアップし直されたのですね。確かに合わない部分が多いですね。
 竹主喜も開口端補正=波長/8を元に1週間ほど色々考えてみたのですが、指孔の端補正値が実測と一致する式をどうしても見つけられませんでした。この理論化はしばらくあきらめて端補正係数の適正化で対処します。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.20 02:01

 狩野様 たぬさん こんにちわ

>250mmで動きが変わる理由はなぜでしょうか?
 他のファクターで同じものは,内径,肉厚,材質くらいでしょうか?
 これはそれぞれの要素を単独で変えてみることでわかるでしょう。
 リシさんの「G管だけは別」(なんの要素の話しだったでしょう?)みたいに,その材質,その寸法(対象周波数にもよるでしょう)特有のモードがあるのでしょう,か。

>また、「管が長くなってくると弱く吹かないと音がうまく出ないので、音が予定よりも低くなってしまい、開口端補正が高めになっている」とか、「高い音は技術的に唇を十分に細かく震わせることが出来なくて、予定よりも音が下がってしまい、開口端補正が高めになってしまっている」というような可能性もあり、
 これは,きっとありますよね。私もつい先日これと似たような経験をしました。自分が甲音より呂音,筒音が鳴る笛が好きなものでそういう笛(ゆっくりした息で呂音が良く鳴るもの)を作ってしまってたようなのです。
 狩野さん 勉強になります。ありがとうございます。
 ところで不躾につかぬ事を伺いまして申し訳ないのですが,狩野佳子さんという和太鼓奏者の方と知り合いなのですが,ご関係ありますか?


 

投稿: | 2005.03.20 16:00

 そーれーです。
 狩野様 すみません。直前の名無しコメント 私です。失礼しました。

投稿: そーれー | 2005.03.20 16:02

そーれーさんへ
 結局たぬはこの週末も今週いっぱい考えましたが、
○長さと内径と端補正の関係(指孔では端補正が管尻の約1.5倍になる点含む)理論
○オクターブ比を予想できる理論
この二つが問題になっていて多分片方がとければ両方ともとける気がします。
 理論で考える際は単純化して肉厚,材質は固定として長さ、内径、指孔サイズの関係を形にしたいですね。
 この後LC回路から「鳴り・抜け」の共通性にせまる記事を書きます。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.20 18:51

そーれーさんへ

狩野佳子さんも、篠笛で有名な狩野泰一さんも、全然関係ないです。

それにしても、たぬさんは頑張っていますね。アクティブですね。

投稿: 狩野 | 2005.03.20 20:24

狩野さんへ アクティブとのお言葉ありがとうございます。狩野さんもこれからもよろしくお願いします。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.20 21:06

 狩野さん どうもです。
 狩野さん繋がり失礼しました。

>それにしても、たぬさんは頑張っていますね。アクティブですね。
 考察と実行力 ほんとに頭が下がります。 そのうちたぬさん,笛の理論 変えるか固めるかするのは間違いないと思います。
 身近な,しかしとうに飛び去った青い鳥その2(@音響工学)も再学習です。良いご縁をいただいたと思っております。
 狩野さんも今後ともよろしくお願いいたします。 

投稿: そーれー | 2005.03.21 18:13

青い鳥@音響工学さん 飛び去らないでくださいよ。でも再学習中とのことなのできっとまた理論の枝をもって戻って来てくださると思っています。
今日篠笛の師匠にお会いしたら電子工学卒だそうです。LC回路とかは一番苦手な科目だったそうです。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.21 18:28

>篠笛の師匠
 3羽目 a(^^

>LC回路とかは一番苦手な科目だったそうです。
 実現象と回路の対応がすんなり繋がれば話は早い,と学生時代の電気工学の先生は言ってましたけどね。当時は頑張った学生にしか解らない。ただこういうことを覚えていただけ,時限爆弾というか地雷というか,今になって幸せだと思います。
 蘇れ~! 私の集中力!(知識と言わないところが大人)
 学生時代 一夜漬けの試験前夜徹夜明けに歯垢(思考)が落ちると歯を磨かなかった S●NYのU君! 一瞬 君のことを思いだしたぞ! 

投稿: そーれー | 2005.03.21 19:40

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36325/3359420

この記事へのトラックバック一覧です: 開口端補正値:

« 横笛はRLC並列発振回路だった! | トップページ | 笛の「鳴り・抜け」とQ値 »