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2005.02.13

端補正係数の検討

指孔が小さい場合の指孔位置を計算式に反映すべく考察を行いました。
結果今まで活用していなかった端補正係数をより細かく使うことになりそうです。

たぬ笛の式は音響物理を元にしていますが、一種類だけ係数が含まれています。係数とは計測値や物理的な法則の計算によらず経験則で値を求めている部分です。
管尻の端補正値は筒音の周波数と管長を測定することで計算することが可能ですが、指孔の端補正値は管尻の端補正値とは1.3〜1.8倍程度と大幅に異なっており、しかも指孔ごとに倍率が違います。指孔ごとの端補正値を求めるために管尻の端補正値との倍率を端補正係数としています。

これまで端補正係数はそれまでに作った笛の実測値から1.45-1.50をC-F管、指孔サイズによらず共通で使っていました。しかしG管で指孔が8.5mmの場合は端補正係数は1.70-1.75と大幅に違っていました。同じ指孔が8.5mmでもC管の場合は1.45-1.50で問題ありません。どうやら管内容積と指孔面積の比率で端補正係数が決まるようです。

するとC,B♭,A,G,F管の5種類 x 指孔8, 8.5, 9, 9.5, 10, 11mmの6種類のマトリックスの30パターンの端補正係数が求められます。これまで作成した笛のデータを再分析してこの30パターンの数値を管内容積と指孔面積の比率を元に求めました。求まった端補正値を過去の笛に適用してみても、今まで何本かに1本特に指孔サイズを変えると勘で微調整する値が大きかったのですが、これで勘の微調整は1-2mm程度にできそうです。

数値内容に興味がある方は竹主喜までメールでお問い合わせください。

2005/02/13追記
指孔の大きさと端補正係数の関係をまとめると以下の結論になります。

○指孔は大きい方が笛の性能(オクターブ比)がよい
○指孔のサイズを変えることで音程通りにつくるには指が届きにくい場合に対応できる

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コメント

 すばらしい。 実行の人 たぬさん。 頭が下がります。

 私ももう一度 楽器音響学やり直したくなりました。学生時代はただ単位のために受けてた
授業なんで苦しみに近いものがありましたが,今悔やまれることしきりです。
 材質,寸法など同じもののない天然の素材に,式を当てはめる行為が空しく思えて
しょうがなかったのでした,あの頃の私。
 インカレ出場のために試験が受けられず,後日安藤先生の教授室で一人追試験の形で
受けさせてもらった楽器学の試験中,先生が琴の台の木の材質について木の専門家と
思える人にしきりに電話で専門的な質問をされていたのを思い出しました。
 精神的若造の私は,そんな個体差の大きい天然材質にこだわらず(当時随分性能面,
価格面で一般化してきた)炭素系ファイバーではダメなの??なんて思いながら,空欄を
埋めてました。
 今思えば,楽器・音楽に対する冒涜に近い思想でした。シンセサイザーを作りたくて入った
大学でしたから,思考は逆向き(これもほんとは思い違いと後で気づく)。 恥ずかしい昔を
思い出してしまいました。
 私も疑問に思ってることもありますので,また教えて下さい。

 昨日 バーンスリーを見て聞いて触れて吹かせてもらってきました。 あれは我々の考えてる
竹ではないです。種類としてはそうかもしれませんが,堅く太く薄く軽い「茎」と考えればわかりやすいです。
 リシ笛D管とは孔の大きさも違うし,吹きやすかったです。肉厚の尺八と全く逆の軽い素材の音。
重厚そうで軽妙。演奏の仕方もそれにあったものになっているようです。いい音でした。
 バーンスリーのG(我々のD管)を譲っていただくことにしました。楽しみです。
 

投稿: そーれー | 2005.02.13 13:31

そーれーさんへ
 学生の時にはたぬもいいかげんに過ごしたのでその思いはよく分かります。炭素系ファイバーでもよい音ができるならよいのでしょうが、1/fの元になる適度なばらつきは自然素材の方がすぐれているのでしょうね。
 バンスリーの素材は葦だと聞いています。入手できたらぜひ一度笛にしてみたいものです。バンスリーGがてにはいったら一度見せてくださいね。それとそーれーさんは尺八を理想として入っているためかDがお好みですね。

ぜひ質問はくださいね。竹主喜も考えるきっかけ、整理するきっかけになりますから。

投稿: 竹主喜 | 2005.02.13 15:41

 どうもです。フリマの準備は如何ですか?

>そーれーさんは尺八を理想として入っているためかDがお好みですね。
 これは後なんですよ。1本目のリシ笛にDというかLow-Dを選んだのはケルトのティンホイッスルが頭にあったからでした。ケルティックミュージックでは基本がD。今は高い方は各調揃えられますが,Low管はDが中心。
 尺八の基本形,一尺八寸が筒音D(今はDなら長さの如何によらず一尺八寸と称するようです)と知ったのは随分あと。
 偶然か,いややはりキリストは東北地方で死んだと言う伝説は本当なのか?と訳も意味も脈絡もなく。。

 昨日吹かせていただいたのは我々のD管,バーンスリーでは基本が筒音でなく左手だけ使った際の音らしく(つまり呼び名は「G管」),これはティンホイッスルの方からも人気があるとか。楽しみです。

投稿: そーれー | 2005.02.13 16:15

G管はネ~、”特別扱い”した方がイイかも!!??(笑) 以前のリシ笛でもソ~だったケド、今丁度、平均律でGの試作してるンだけど、ヤッパね~Gダケね~、全然指孔の配列が違うンだよネ~・・・!!!!♪♪♪ (Gダケ他の調管よりも、指孔が管尻の方に近づくミタイね・・・!!!♪♪ ツマリ!!♪ Gダケ断トツに良い笛を造れるッテ事・・・!!!!!♪♪♪♪♪ だからアンデスのケーナは、Gが主流ナノかな~ッテ、前から想ってたンだよネ~・・・、演奏する楽曲からも判る様にアソコ、笛の事知り尽くしてるカラ!!!♪♪♪)

ソレとネ~、バンスリに使ってるアッサームとかは、ミクシーでタロさんが”竹”ッテ言うカラ(笑) 驚いてリシも色々調べたンだけど、ま~結局はハッキリとは判ら無かったンだけど、ド~やら”バンブー(熱帯系の竹)”ミタイよ・・・!!!♪♪♪ 肉質こそ違えど、日本の蓬莱竹に「節間」「節上下のクビレ」「クビレが始まる辺りのシワの寄り方」がソックリ!!!!!♪♪♪ ほぼバンブーで決まりカネ!!!??♪♪ ケーナに使うカーニャはド~も葦の可能性が高いミタイよ!!!♪♪♪

投稿: リシ♪ | 2005.02.13 16:53

一番「小難しい」かと思った記事なのにみなさん書き込んでくださりうれしい限りです。しかもリシさんまで!

>Gダケ他の調管よりも、指孔が管尻の方に近づくミタイね・・・!!!♪♪ 
 たぬにはまだこの言葉が実感できません。
しかしリシさんの言葉は含蓄が深い。例えば、リシさんのHPのどこかに、
>歌口-1孔の距離は遠いほど笛の性能はよくなる…
 と書いてあった気がします。上のG管は指孔が管尻側に移動する近づくため笛の性能がよくなる…も同じ意味でしょうがこれを自分の言葉で理解できるようになるのにかなりかかりました。
 音響物理的にいうと、オクターブ比は指孔が歌口に近づくほど低下します。つまり乙音か甲音のどちらかのずれが大きくなります。いいかえれば指孔の位置をより管尻側にできた方が(もちろんピッチはあっていないといけません。ピッチ無視で孔だけ管尻に動かすという意味ではありません)笛の性能=オクターブ比がよくなるのです。
 と理解できるのにかなりかかりました。だからきっと上の言葉にも何か隠されているのでしょうね。

 しかも分かったつもりでいてやっぱり失敗しています。指孔を小さく(8.5mm)すると指孔の位置はより歌口側になります。つまりオクターブ比は悪くなるのです。指がおさえられるぎりぎりまで指孔が大きい方がオクターブ比がよくなるのです。と分かったつもりでいて、この週末はよりによって虎竹というオクターブ比が低くなり勝ちな竹で指孔の小さい笛を何本も作ってしまいました。B級用虎竹を作ったことにするか。今日はこれぐらいでかんべんしてやらぁ…(すいません関西出身なもんで)

 それとすいません。バンスリーが葦なんて大嘘ですね。葦(カーニャ)はケーナですね。

投稿: 竹主喜 | 2005.02.13 17:22

う~ん、たぬさんでも失敗することがあるのですね~。
でも、そのお陰でたぬ笛の係数がより精確なものになった訳ですよね。
自然の竹を相手にして微調整が1~2mmとは素晴らしいですね~!
これから実際に作るようになったときには教えを請わなければいけません・・・その節はよろしくお願いしますね~。
でも、まずは竹ですよね~。
郊外を車で走っても竹藪にばかり目がいく今日この頃です。(苦笑)

投稿: まさどん | 2005.02.13 18:01

何だか、ここは中年のいたずらっ子達の『たまり場』みたいで微笑ましいなー。小学生の時マジに『ロボット作ろう』という男の子達に混じって集合、あーだ、こーだ…結局中心の子が転校する事になって『部品』だけ分けて持ち帰った覚えがあります。

“やんちゃーず”(?)の皆様、どんどん盛り上がって素敵な、それぞれの個性いっぱいの竹笛を作ってくださいネ!勿論、それを次々吹くのは私達。ねっ!>カオンさん、kanaちゃん

投稿: B-MAD | 2005.02.13 19:10

ここに集まっている人たちはちょっとおなかが出ている人もいますが、少年なのです。インターネットのよいところは転校しようがどこに住んでいようが続けられるとこですね。

投稿: 竹主喜 | 2005.02.13 20:30

皆さん どうもです。

>あれは我々の考えてる竹ではないです。種類としてはそうかもしれませんが,堅く太く薄く軽い「茎」と
>考えればわかりやすいです。

>バンスリーの素材は葦だと聞いています。

>ド~やら”バンブー(熱帯系の竹)”ミタイよ・・・!!!♪♪♪

>バンスリーが葦なんて大嘘ですね。葦(カーニャ)はケーナですね。

>でも、まずは竹ですよね~。
 そう。まずは竹です。材料そのものがそうであれば名前はなんだっていいんですよ,って般若心経か唯物論か正法眼蔵かあぶさんの初期の巻に書いてありました。(^^) 
 taroさんの買ってこられた2万円くらいのバーンスリーは指がきつかったけどいい音でした。
 あの材料はいいです。 分類は何になるかわかんないですが。
 僕たちバラモンだから竹には触れられないけど葦ならOKさ!って国なら大問題ですよね。

 リシ笛D管ですが,最近吹いてなかったんです。他に吹きたい笛が増えたのと酸欠になりやすかったですから。でもバーンスリーの生の演奏を聴いて,音はやはり持ってる中では一番似てる音ですから
もっと吹いてやるかと思いました。一番最初に音色で選んだ笛ですしね。 

 日本で採れる材料で再現しようとすれば太めの竹の内側肉厚3m/mを1.5m/m程度に
なるまで均一に削ればどうでしょう?強度的に良ければ行けるかなと。
 リシさん,たぬさん こういうことやったことありますか? 私 やってみようかと思ってます,昨日から。B♭管(塗装前まで),高麗笛レプリカ(竹選定中),尺八もどき(歌口調整中),F管くらいの
バーンスリーもどき(長い竹買わなきゃ)。。 いやー いろいろやりたいこと出来て,たのしいなぁ。

投稿: そーれー | 2005.02.13 23:09

篠笛の師匠に聞いた話でgoogleで探しても元ネタはみつけられませんでしたが、青森のねぷた祭の横笛には音を堅くするため竹の内側の柔らかい部分を削って堅い皮の部分だけにすることがあるそうです。
能管の八割返しが管内部を堅くしようとした昔ながらの智恵なのでしょうね。

投稿: 竹主喜 | 2005.02.13 23:37

>青森のねぷた祭の横笛には音を堅くするため竹の内側の柔らかい部分を削って堅い皮の部分だけにすることがあるそうです。
 たぬさん ありがとうございます。やっぱり考えますよね。よし!

>能管の八割返しが管内部を堅くしようとした昔ながらの智恵なのでしょうね。
 これも理屈はわかっても実物を見てみないと何とも言えないと思いました。
 竹の外側を内側に持ってくるのですから当然断面のカーブが逆になり,かなりの部分を
削り出さないといけません。すると元の竹はかなり肉厚のある太いものですよね。
 肉厚のものでも削っていけば堅さは変わるだろうし,どのくらい有効なのか,
それは漆を塗るより効果的なのか?頭ではわかりません。
 いつか吹いてみたいもんです。

 そういえば先週末 以前仕事で使った内径12φ,肉厚1m/mのアルミのパイプが会社の机の
したから出てきました。約45cm,篠笛でもいけるなぁ。ふふふ

投稿: そーれー | 2005.02.14 00:31

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