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2004.12.29

笛と特許

 先日大手家電メーカで特許の仕事をしている知人と話す機会がありました。
竹主喜はソフトウェア特許やビジネス特許には否定的に考えているので特許そのものまで否定的にとらえていましたが、話を聞いて目が見開かれました。メーカの開発現場では特許を技術の排他利用のために使うというよりは技術開発・実装のアイディアデータベースとして使っているというのです。
 それならたぬ笛でも特許をそのまま使うのではなく考え方が参考になる特許もあるのではないかと思って調べてみました。最近はインターネットで特許情報まで調べられるのですね。

■特許電子図書館トップページ
http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl
■初心者向け検索トップ
http://www2.ipdl.ncipi.go.jp/begin/be_search.cgi?STYLE=login&sTime=1104284593901
 ※2004/12/30 18:00-12/31 4:00はサービス停止するそうです

○「横笛」の検索結果
 早速キーワードを「横笛」で検索したしたところ12件見つかりました。
 検索結果は直接リンクだとエラーになるようなので試してみてください。
  特許公開2003−015633 トーキング尺八(ナイ、ケーナ、)  などはそーれーさんの参考になるかも?

○「フルート 歌口」の検索結果
 別のキーワードも試してみました。特許になる横笛となると「フルート」かな?結果は395件でした。
少し多いのでキーワードを追加して「フルート 歌口」で検索したところ6件でした。
 その中では特許公開平07−129152 フルートの歌口構造がおもしろい。歌口部分だけ管を細くする効果があるので、高い音が出やすくなるはずです。
 この内壁の構造を作れば特許に抵触しますが、竹の節こぶが図の位置になるように歌口を切ればよいのでは!!!と早速参考になりました。
 2005/01/17更新 節こぶと鳴りを参照してください

○特許の権利と利用
 では特許の利用したい場合の制限を調べました。ここは素人の調査なので参考程度にお願いします。もし知っている方がいらっしゃればコメントお願いします。

特許法の条文としては下記になりそうです。

特許法 第六十八条(特許権の効力)
 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない

 他の解説を読みましたが、どうやら「業として利用する」とは経済的利益の有無にかかわらず個人の範囲を超えて利用する場合のようです。つまり技術の検証のため個人の範囲で作ってみることそのものは特許の許可を得なくてもよいように思えます。
 そしてメーカの知人が教えてくれたように、考え方を参考にして別の実装方法ができれば特許に抵触しないことも可能らしいです。
 あとは特許の詳細画面には特許権者の住所と名前もあるので連絡も可能なようです。

 ううむ、聞く耳を持って求めれば与えられるということかなぁ。

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コメント

うろ覚えで申し訳ないのですが、
「塩ビ管製尺八に特殊塗料を塗って音色を本物に近づける」というのがあったような・・・

塩ビ管の笛は、安くて手軽で意外といい音がしますが、でもやっぱりね~(~_~;)
イメージがいまいちですよね。
それに、一箇所だけ心引かれる音色があるっていう感じなんですよ。
新聞記事に載っていた上の情報は、どうもそこら辺を克服したみたいでしたが・・

竹主喜さんの製作した笛は、なかなか格好いいですね。
個人的には、頭管部がもう少し長いほうが美的に見えるような気がします。
節の(反射板)位置は、すごく重要なので簡単には変えられませんが・・
南インドの笛は、同じような姿のようです。
対して、中国の笛は(笛子)見た目のバランスで、頭管を長くしているそうですよ。

投稿: | 2004.12.31 06:13

新年あけましておめでとうございます。書き込みありがとうございます。お名前が入っていないようなのですがどなたでしょうか?

決めつけてはいけまですが、いくら特殊塗料であっても音色が竹になるとは思えないのですが…。どういう原理かなぁ。

http://www2.ipdl.ncipi.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=1&sMenu=1&sBpos=1&sPos=1&sFile=TimeDir_1/mainstr1104685025944.mst&sTime=1104685029
「演奏者は、管楽器を演奏する場合に必要な振動をより長く管体内部に閉じ込めるため、管体表面上の振動の消失点に鉛を付着させる。」ことで笛の鳴りをよくするとありました。これでしょうか?

頭部管の件ですが確かに長い方がバランスはよいと思います。ただ節を反射板にしていて、節下をきることで鳴りをよくしているのであの長さになってしまっているのです。
節から歌口の距離をあと1cmぐらいなら長くできなくはないのですが、性能(オクターブ比率)が悪くなってしまうのです。演奏に問題はないからいいかと今はあきらめています。

投稿: 竹主喜 | 2005.01.03 02:01

申し訳ありません。名前は書いたつもりだったのですが、HIRAOKAです。

特殊塗料の件は、朝日新聞に紹介されていました。特許を取ったと書いてあったと記憶していましたので、参考になればと思い書き込みました。
資料を探しましたが、見つかりません。
確か、邦楽普及のために廉価な楽器を開発するべく、塩ビ製尺八に塗料を塗ることを思いついたということでした。
試行錯誤を続けて、本物に近い音色を出すことが出来るようになったということです。
どんな塗料かは、なにも書いてありませんでした。
04年の後半の記事だったと思うのですが、うろ覚えばかりで申し訳ありません。
見つかったら、またお知らせしますね。

頭管部のことですが、バーンスリーはコルク栓を入れてます。安いものは、ビーチ・サンダルの底のようなものを詰め込んでいます。
寺原さんによると、このコルク栓が経年変化を起こすんだそうです。
位置決めが非常に微妙で、音色を取るか、音程を取るか難しいところなんだそうです。
ぼくには、まだその違いがわかるほどにはいたってませんので、早く上達したいものだと思っています。

投稿: hiraoka | 2005.01.03 23:42

hiraokaさんへ書き込みありがとうございます。
記事を見つけました。

「塩ビ尺八」の新製品が話題
“低価格で、本物に劣らぬ音色”―中学生など初心者向けに最適
http://www.pvc.or.jp/news_ind/47-07.html

竹の内側の柔らかさを塗料で再現することでスペクトル分布を竹同様にし、かつ学校でも使えるぐらいに安くしたもののようですね。

竹の内側の磨き方を変えると音が変わりそうですね。考え方の参考になりそうです。情報ありがとうございます。笛制作はまだまだ奥が深そうです。

頭部管ですが、今は竹の節あたりの複雑な形をそのまま使う方がよいような気がしてコルク等のストップエンドは使っていません。歌口の節からの位置は何本か作ってみて性能(オクターブ比)が一番よい位置を使っています。オクターブ比とは乙音と甲音が2.0が理想ですがどうしてもずれてしまいます。そして指孔ごとに乙音と甲音の比率が異なります。管尻では数値が大きく(約2.03)、歌口側では数値が小さく(約1.96)になります。この差が小さいほど音律性能がよいと思っています。

投稿: 竹主喜 | 2005.01.04 10:47

さすが、竹主喜さん。すぐに見つけてしまいましたねえ。
お役に立てれば、うれしいです。
尺八は内部を漆塗りする流派としない流派があるようですが、こんなところからヒントを得たのかもしれませんね。

以下はオクターブ比のことです。
又聞きなのですが、ヤマハの管楽器担当の人の話です。

フルートはほんのわずかに内部の厚みをテーパー状に作ってあるんだそうです。
オクターブ比をよくするためなのですが、これが理論どおりにならないんだそうです。
究極の理論はまだ解明されてないとのことです。
それで、どうしているかというと、名器といわれている作品をそっくり真似て作っているんだそうです。

投稿: hiraoka | 2005.01.06 00:07

hiraokaさん書き込みありがとうございます
管内テーパとオクターブ比の計算は挑戦してみましたが解を得られませんでした。音響工学の端補正値も理論値と計測値が全然違うので計測値を使うようにしています。
たぬ笛の場合リシ笛を真似て理論的解明を行っています。
今の課題は吹きやすさが今一つ足りないことです。竹の乾燥かなぁと思っているのですが…。

投稿: 竹主喜 | 2005.01.06 00:18

特許法第68条(特許権の効力)に関する解説記事を書いておりますので、よろしかったら参考にしてください。トラックバックさせていただきました。

投稿: 私の言語 | 2005.03.05 20:12

はじめましてトラックバックありがとうございます。
トラックバックの使い方がよく分かっていませんでした。ページ見つけました。ずれた解釈はしていなかったようでよかったです。

投稿: 竹主喜 | 2005.03.05 21:38

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