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2004.12.12

半月と音色 -竹横笛の可能性

竹の横笛では半音を出すために指孔を一部開きます。これを半月と呼びます。この半月とメリ・カリをスペクトル分析していておもしろいことに気づきました。
半月やメリ・カリは半音を出すためのものと思っていました。確かに指孔の開け具合とメリ・カリの度合いで半音・1/4音と中間ピッチの音を出すことができます。しかし半月を多用する篠笛の曲などでは「悲しげな音色」に聞こえます。ピッチだけではなく音色も変わるのではないかと思い調べてみたのです。

■指孔半月(リシ笛F管(2)の音)
spectrum-half 以前笛の上級者に吹いてもらったところもっと顕著にでたのですが、竹主喜では繰り返し試してみないと調整できませんでした。しかし半月、メリ・カリでピッチだけではなく音色を決める音の成分が変わるようです。
 音には最も周波数が低い基音とその整数倍の倍音が含まれます。大体8倍音ぐらいまでは含まれます。3倍音以上は個別にはわかりにくくなってしまっていますが、2倍音は全開と半月にした時で明らかに違います。

■指孔全開(リシ笛F管 1の音)
spectrum-full

 横笛は開管楽器ですから1,2,3,4..と全ての倍音が含まれます。サックス等の閉管楽器では1,3,5..と奇数倍音しか含まれません。横笛で指孔の開き方を小さくしたり、メったりすることで閉管的になり偶数倍音の割合が低くなっているものと思われます。

 竹の横笛はフルートと違い竹に孔を開けただけでキー構造はありません。それだけに半音は自分の耳で指の押さえ具合を調整して出す必要がありますが、フルートにはできないポルタメント(音を連続して移動する奏法)ができます。また音色の違いをだすことができる=より豊かな表現ができる楽器ととらえることもできるのではないでしょうか?

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コメント

う〜ん、なるほど〜。
音色の違いがグラフで見られるというのは良いですね〜。
このグラフで、吹き方の違いとその音で感じる気持ちの違い・・・その辺を研究すると音響心理学なんでしょうね。
リシ笛心理学ができっちゃったりして・・・ね!♪
甲音と乙(呂でいいの?)音のちがいとか、笛の個性とか・・・あ、笛の紹介にグラフを付けると面白いかもしれませんね〜。

投稿: まさ | 2004.12.15 13:34

まさどんさん書き込みありがとうございます。
理論系の記事に書き込みはなかなかないのでうれしいです。
笛の紹介にグラフをつけるのはよいアイディアですね。ただ演奏者のその日の気分で大きく違うので踏み出せていませんが。
おっしゃるこのネタは甲音・乙(または呂)音、半月等いろいろな音を可視化できるのでこれからもいろいろ使いたいと思っています。別バージョンを使えばSoundAnalyses(SA)でms(ミリ秒)単位での音の立ち上がり分析もできるようなので製作と分析の循環をしたいと思っています。
しかし…時間がなくて笛作りに気持ちをとれない。12月に入ってまだ1本もつくっていないなぁ。

投稿: 竹主喜 | 2004.12.15 15:23

まぁ、素朴な楽器なので演奏者の技術に負うところが多いんですね。
そこが面白いところではありますね。
ということは、このグラフを見ながら練習すると上手くなったりしないかなぁ・・・♪

投稿: まさ | 2004.12.16 00:57

昔本で読んだのですが、尺八の演奏家で隆プロの方が100万円からするスペクトル分析機を買って練習の時に使っていたと聞いたことがあります。よい音と感じた音の波形が出せるよう練習を繰り返すことでより早く確実に練習ができたそうです。
今回のような理論が分かっていれば「歌口を唇で塞ぎ気味にした方がよいはず」とかわかって練習できたのかもしれませんね。

投稿: 竹主喜 | 2004.12.16 07:16

理論系の記事に私の入る余地はナイんですが、無理矢理入っちゃいます。スペクトル分析器で練習した笛はなんとなく聴きたくないって思ってしまいますが、吹く時そこに「心」があれば「意識を持った練習」が出来るのは確かですね。私達も太鼓の個人練習には「電子メトロノーム」を使います。どんなに自分の感性が信用出来ないものかがわかりますし、手が動いてないのも隠し様がなくなります。ただ、皆で合わせる時は使いません。「皆の気持ち」を一つにする事に集中する様にします。ま、太鼓の音で聞こえないっていうのもありますけども。感性やノリはとても大事ですが裏打ちされた「信用性」とでも言いましょうか…。要は使い方なんですねーきっと。やっぱり「ひとつ上を目指したい」という場合は苦手でも、やらなくっちゃと自分に言い聞かせています。

投稿: B-MAD@かのうや | 2004.12.16 09:11

機械を使っての練習では基礎的な技術の練習になるってことですよね。
でも、音の基礎が出来ても音楽にはならないと言うことなんでしょうね。
私はどちらかというと気持ち派、気持ちさえあれば技術はついてくると思っていますが、
やはり基礎練習も大事だってことですね~。励みましょうね~。

投稿: まさ | 2004.12.16 09:35

B-MADさんまさどんさんこんにちは
「音」と「音楽」は別ものですものね。
演奏の練習についていうならスペクトル分析をつかった練習も1音を音色を分析する基礎練習でしかなく、音楽はその先にあると私も思います。
笛の製作でも1音が正確な笛をつくることはそう難しくありませんが、しかしそれでは演奏しても寂しいものにしかなりませんでした。

たぬ笛も房総の栗山様に吹いていただいて1音ずつ正確につくる段階から全体をどうつくるかという段階を教えてもらいました。
1音の正確さ音色は理論で分析し、全体として統合して音楽は深めた感性でつくることが重要だと思います。スペクトル分析や数式は「音」をつくるものでしかなく、音と音楽は別のものですものね。
私のメインテーマは理論と感性の統合かな?

投稿: 竹主喜 | 2004.12.16 14:49

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