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2004.06.07

音程と音階

■オクターブと12音程
 物理的には音は空気の振動です。振動回数(周波数)が大きいほど高い音になり、少ないほど低い音になります。
ある音の周波数を2倍にすると1オクターブ高くなります。弦楽器の場合長さを半分にすると1オクターブ高くなります。
弦の長さを倍にすると1オクターブ低くなります。
 1オクターブの間をいくつに12に区切ったものが音程です。物理的には連続して変化する周波数を洋の東西を問わず同じ12に区切っている点は音楽が東西を問わない証左のように感じます。

西洋音名AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭A
C調音名   ファ  
雅楽音名黄鐘鸞鏡盤渉神仙上無壱越断金平調勝絶下無双調鳧鐘黄鐘
平均律の比率121/1222/1223/1224/1225/1226/1227/1228/1229/12210/12211/122
平均律周波数442.0468.3496.1525.6556.9590.0625.1662.3701.6743.4787.6834.4884.0
純正律の比率1 9/8 5/44/3 3/2 5/3 15/82
純正律周波数442.0 497.3 552.5589.3 663.0 736.7 828.8884.0
ピタゴラス律の比率1 9/8 81/644/3 3/2 27/16 243/1282
ピタゴラス律の周波数442.0 497.3 559.4589.3 663.0 745.9 839.1884.0

※wikipedia音程
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E7%A8%8B

[2004/06/11更新]
※基音(442Hz等)から平均律・ピタゴラス律の音階の周波数を求めるexcel
freq.xls

■音律
 オクターブを12に区切る方法は主立ったものに以下の3つがあります。

○ピタゴラス律
 紀元前から使われているであろう調律で、弦の長さを1/2、2倍、2/3(絶対5度)を組み合わせることで音階を作ります。
 旋律がきれいに聞こえますが、ドとミの和音がにごる欠点があります。
 笛は旋律楽器であり、単体では和音は出せないので、たぬ笛はピタゴラス律に調律し(ようとして)います

※ピタゴラス律の解説が工房秀竹さんのページに詳説されています
http://www.0ad.jp/~hidetake/sub034.html
※wikipediaピタゴラス音律
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%A9%E3%82%B9%E9%9F%B3%E5%BE%8B

○純正律
 主要和音(ドミソ・ファラド・ソシレ)を4:5:6の周波数比率になるよう調律した音階で、和音の美しさは絶妙です。

※純正律研究所ではWWW上で純正律と平均律の聞き比べが可能です
http://www.midipal.co.jp/~archi/pms.html

○平均律
 100年余り前ピアノの普及とともに広まりました。現代の多くの音楽は平均律で作られています。
 純正律は主要和音は美しいがレファラのような転調した場合の和音は大変にごってしまいます。
 笛のような移調楽器なら調ごとに異なった長さの笛を作りますし、弦楽器は調弦をしなおせばよいのですが、
 ピアノの場合問題になります。そこで1オクターブを21/12づつ均等に分割した音階が平均律です。
 平均律なら転調自由自在で、ひどくにごった和音もない替わりにどの和音も少しにごってしまいます。

■音階
 1オクターブは12音程ですが、西洋ではその内7つをドレミファソラシの音階で利用します。
 日本では雅楽の場合ドレミソラの5音階、俗楽といわれる箏や長唄ではドミファラシのやはり5音階を利用します。

※教養のための 箏の常識と学理のお話 野村秀子著/正弦社出版部
 箏についてから和音階で筆者の知る限り一番詳しい本です

 フルートは18世紀にベームの改良までのルネサンスフルートでは7音階を出すため、指孔は6つでした。
 ベーム以降12音階を出せるようにキーシステムが改良されました。
 インドのバンスリ、アンデスのケーナは指孔は6つです。(ケーナは裏孔で7つです)
 尺八の指孔は裏孔を合わせて5つです。
 篠笛の指孔は7つですが、基音は指孔6つをふさいだ音のようです。
 ちなみに箏は13弦ですが、5音階を約3オクターブ分に調弦します。

 それまで音楽と縁がなかった筆者は1年前まで誤解していましたが、ドレミは音階であって調によって絶対音は
変わることが理解できませんでした。ピアノのCがドだと思っていました。
 ドは12音のどこからはじめてもよく、Cからはじめればハ長調になり、Gから始めればト長調になることがやっと分かりました。
 笛の場合同じ指使いで長さが違う楽器をもてばそれで移調になることも理解できました。笛は移調楽器と呼ばれる理由です。

 調を#や♭の数順に並べたのが下図の調管表で、♭を一つ増やせば右回りの調が演奏できます。C管なら♭1つでF(ヘ長調)、
 ♭二つでB♭(変ロ長調)が演奏できます。#一つならG(ロ長調)です。

※調管表
choukanhyou.jpg

 更に横笛の場合半音は指孔を半分閉じて出す(半月)ので♭や#が増えると演奏しにくいのですが、ケーナや6孔の笛の場合変え指で
 ファ♭が可能です。
 
 ○●● ●○○ →管尻

 ファを♭にできると調管表を右周りに一つまわれることになります。G管であればCは半月なしで可能で、♭ 1つ使うなら Fまで可能です。
筆者は低音の笛が好きなので、GやFを中心に使っています。FはB♭を演奏するためで、B♭は箏の平調子と同じ調になるからです。


 

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» ピタゴラス音律、53音律を「発見」 [岩茸Blog-篠笛ManiaX]
純正律と平均律についての議論を読んでいて、「旋律楽器はピタゴラス音律が良い!」「 [続きを読む]

受信: 2005.10.30 04:54

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